連載 #15 「深呼吸」

新型コロナウイルスについて、毎日更新されるニュース。自粛について意識しながらの日々の行動。

記事を書いたあと「あの日、本当に外出して良かったのだろうか」と、今さらそんな気持ちが出てくる、世界の状況。

春めいてきた空気の中、深呼吸を味方につけて、有事を乗り切っていけますように。

写真家からみえる景色 | bitokurashi

写真で日常を切り取る、びとくらし 「びとくらし」のトップのメイン写真をご提供いただいている、嵐祥子さん。 いつもの日常も切り取り方、感じ方次第で特別な日になることもたくさんあります。 そんな切り取り方を少しのぞかせていただきます。 「深呼吸」 新型コロナウイルスのニュースが取りざたされてから、2ヶ月ほどが経ちました。 仕事にも影響が出たり、頭に入れたい情報量が多かったりで、心身ともに緊張している時間がだんだんと増えているな、と感じていました。 そんなとき友人が教えてくれた、シンプルなリラックス方法「深呼吸」。 気持ちが良いとわかっていても、つい忘れてしまいがちなのですが、煮詰まってきたときには意識して、深呼吸をするようにしています。 先日の週末。 ここ神戸市では、行政からの外出自粛要請は出されていないのですが、レジャー施設の臨時休業や、イベントの中止で、自粛ムードがただよっています。 そんなときですが、用事のついでに「おいしいものを食べよう!」と、家族3人で外食に出かけました。 場所は、神戸市中央区の三宮。 商業施設、繁華街、ビジネス街、観光地が近距離にまとまっていて、平時であればたくさんの人が行き交う街です。 いまは旅行者の姿をほとんど見かけなくなり、新生活準備で華やぐ3月のはずが、やはり人出は減っているなと見て取れました。 それでも街には、いつもどおり春物が用意されたお店が開き、地下街の通路にはお花がたくさん飾られていました。 ランチのお店は、子づれでも気兼ねなく入れる、お気にいりのところにしました。 食事中は、ざわざわした気持ちをすこし横において、それぞれが食べたいもの、飲みたいものを注文し、おなかいっぱいにして気晴らしをしました。 そのあと、同じ街にある公園「東遊園地」へ立ち寄ることにしました。 もうすぐ公園に着くというあたりで、どこからともなくお花の香りが届きました。 存在感が強いその香りは、春の香木「沈丁花 (じんちょうげ)」。すこし見ごろを過ぎているものの、白とピンクの可愛いお花が咲いていました。 ひさしぶりに、そのかぐわしい香りに出会えたことがうれしく、胸にしっかりと吸い込みました。 公園の広場から聞こえてくる、遊んだり散歩したりする人たちの元気な笑い声。 皆さんの明るく楽しい様子を見ていると、こちらも肩からスッと力が抜けるようでした。

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嵐 祥子 | Arashi Shoko

フリーランスWebライター兼フォトグラファー、嵐祥子のサイトです。 同名で、写真作品も制作しています。