2020.03.18 13:53連載 #14 「街路樹のはなし」半日後には、自然災害や感染症などの当事者として、まっただ中におかれている。緊張がつづく状況が多くあるなか、目に入ってくるのは、心のよりどころになるいつもの景色です。写真家からみえる景色 | bitokurashi写真で日常を切り取る、びとくらし 「びとくらし」のトップのメイン写真をご提供いただいている、嵐祥子さん。 いつもの日常も切り取り方、感じ方次第で特別な日になることもたくさんあります。 そんな切り取り方を少しのぞかせていただきます。 「街路樹のおはなし」 道路沿いに植えられている樹木、街路樹。 四季のゆたかな景観づくりだけでなく、防風・防じん・防音・防火など、他にもいろいろな役割を持ち、わたし達のくらしを守ってくれています。 身近な街路樹のひとつに「車輪梅(シャリンバイ)」という、低く剪定された常緑樹があります。 はじめは「よくある植え込み」くらいに思っていたのですが、ある日、顔なじみのおじさんが「名前は『シャリンバイ』。大島紬の染料に使われているんだよ」と教えてくださいました。 名前を知ると親しみがわき、それからは、初夏に白いかわいい花が咲き、ついた実が、秋から冬にブルーベリーのような色に変化していく季節の移ろいを、家族で観察し話題にしています。 阪神間ではもうすぐ、ハクモクレン、コブシ、ハナミズキなど、白い花をたくさんつける木があちこちで見られ、道ゆくひとの目を楽しませてくれる季節です。 元町駅近くで、初めて見た満開のコブシに、とても感動したことを覚えています。 その木の多くは「阪神淡路大震災」の発生後に、著名人らの呼びかけで始まった「ひょうごグリーンネットワーク運動」という活動で集まった、募金や苗木の寄付で植えられたものでした。 10年間で被災地に植えられ木は、約30万5千本。 そのうちの半分以上が「白い花をいっぱい咲かせよう」と、白い花をつける木なのだそう。 そしてその花には、亡くなったかたへの鎮魂、震災の教訓を忘れない気持ちが託されているのだそうです。 今年で震災から25年。 わたしが神戸に住み始めて16年。 そのこめられた想いを知らず、ただただ「キレイだなぁ」と春がきたことをよろこび、鑑賞して過ごしていました。 これからはその木々を「今年も白い花がいっぱい咲いてくれたな。無事に咲くことができて、ほんとうに良かったな」と、これまでとはすこし違う気持ちで、見守っていきたいと思います。 当サイトの画像やイラスト、文書等の無断転載・無断使用はお断りいたします。ご使用をご希望される場合はお問いbitokurashi2020.03.24 11:48連載 #15 「深呼吸」2020.02.10 06:06「デザイン あ」展 in SHIGA0コメント1000 / 1000投稿嵐 祥子 | Arashi ShokoフリーランスWebライター兼フォトグラファー、嵐祥子のサイトです。 同名で、写真作品も制作しています。フォロー
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