連載 #8 「夏の日」

暑さの中に、すこしずつ秋を感じる時間がでてきましたね。今年もたくさん汗をかきました。

写真家からみえる景色 | bitokurashi

写真で日常を切り取る、びとくらし 「びとくらし」のトップのメイン写真をいつもご提供いただいている、嵐祥子さん。 いつもの日常も切り取り方、感じ方次第で特別な日になることもたくさんあります。 そんな切り取り方を少しのぞかせていただきます。 「夏の日」 じゅうぶんに覚悟していたつもりでも、何度も「あついあつい」と言いたくなる、うだるような暑さです。 自宅のベランダで、干したそばから乾いていきそうな洗濯物。干し終わるまでの10分ほどで汗だくになっています。 そんな暑い中でも元気に咲く夏の花、そのひとつに「アベリア」があります。 白いラッパのようなちいさな花をたくさん咲かせているこの花は、よく公園や道路などの街路樹に使われていて、名前は知らなくても花は見たことがあるひとも多いと思います。 生まれ育った場所、何度か引越した先のそれぞれの土地、いま住んでいる家のすぐそばにも植え込まれ、いつも変わらず夏の到来を教えてくれています。 セミの合唱、つめたいカルピス、スイカ割り、盆踊りの浴衣、カキ氷…夏の風物詩はいろいろとありますが、初夏から真夏を過ぎても長く咲いているこの花を見て「夏だなぁ」と感じています。 アベリアの咲く公園を歩き、坂の上にある小学校のそばまで行きました。 夏休みで誰もいない運動場。片隅には「さるすべり」の木が植えられています。濃いピンクの可愛い花が咲くのを見るのが、毎年たのしみです。 他にも、朝のうちだとあざやかな青いろの「つゆ草」や、いろんないろの「あさがお」に出会えます。 真夏日がつづく中、可能なかぎり外出を控えて過ごしていました。 そう言いながらも8月も終わりにちかづくと、カレンダーには、花火大会、あちこちで開催された夏祭り、水遊びと、夏らしい出来ごとが並んでいました。 汗をかき、上り坂を長く感じた気持ち。 日差しの強さ、空に浮かぶ雲の厚さ。 木陰で風がとおっていくときの心地良さ。 カレンダーには書き込まれない夏の日の一場面が、こころの中に残っていきます。 当サイトの画像やイラスト、文書等の無断転載・無断使用はお断りいたします。ご使用をご希望される場合はお問い合わせください。

bitokurashi

0コメント

  • 1000 / 1000

嵐 祥子 | Arashi Shoko

フリーランスWebライター兼フォトグラファー、嵐祥子のサイトです。 同名で、写真作品も制作しています。