連載 #18 「梅雨のあいまに」

雨が似合うあじさい。
雨の日にあじさいを観に行けるかなぁと、出かける日のタイミングをみていますが、どうか多過ぎる雨になりませんようにと、勝手なことを祈ってしまいます。

写真家からみえる景色 | bitokurashi

写真で日常を切り取る、びとくらし 「びとくらし」サイトトップのメイン写真をご提供いただいている、嵐祥子さん。 写真家ならではの視点や、景色の切り取り方、毎日の暮らしぶりを写真と文章で伝えいただきます。 「梅雨のあいまに」 梅雨に入り、SNSのタイムラインに、あじさいの写真投稿が並ぶようになりました。 あじさいは低木なので桜ほどは目立ちませんが、見ごろを迎えて手まりのようにふっくらし、街角のあちこちで目を引いています。 昨年の今ごろ、旅行先で観た満開のあじさいがとてもきれいだったなぁと、その写真を見返していました。 そういえば、よく利用する公園にもあじさい園があったことを思い出し、観に行ってみようと、神戸市須磨区にある「神戸市立須磨離宮公園」へ向かいました。 乗り込んだバスは、新型コロナ感染予防対策で、エアコンをつけつつ窓を開放して換気されていました。 走りだすと心地よい風が車内に吹きこみ、なんだか贅沢な換気対策なのでは…と思いましたが、車のエアコンが苦手なわたしにとって、快適な乗車時間となりました。(雨の日は窓を開けられないかもしれません) 今日は、くもり空にあじさいの色がしっとりと映えるだろうと予想していたのですが、着く頃にはすっかり晴れて暑くなり、梅雨の中休みとなりました。 離宮公園は丘に広がる大きな公園で、およそ100年前、前身の「武庫離宮」が建てられ、皇室の別荘として利用されたあと、戦後、神戸市民の憩いの場として建設されたそうです。 何度も遊びに来ているものの、あじさいスポットへはまだ訪れたことがありませんでした。案内図を見てみると、行ったことのない箇所が他にもたくさんありました。 入口でスタッフさんに「いま『しょうぶ』もきれいに咲いていますよ」と教えてもらい「花しょうぶ園」へも回ってみることにしました。 広い敷地には、大きな噴水のある庭園や、季節の花が植えられた植物園があります。 「花しょうぶ園」へ着くまでの遊歩道には、背が高く立派に育った竹や紅葉が、涼しい木陰をたくさん作ってくれていました。 スタッフさんがおっしゃる通り、満開の花しょうぶは、とてもきれいでした。 あじさいと同じく、青・紫系のグラデーションの花色で、ここには約60種類が植えられているそうです。

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嵐 祥子 | Arashi Shoko

フリーランスWebライター兼フォトグラファー、嵐祥子のサイトです。 同名で、写真作品も制作しています。