連載 #22 「秋を探して」

今年の阪神間の秋は、今のところ台風の影響も少なく、穏やかな気候、爽やかなお天気に恵まれています。

世界的にみると新型コロナウイルス感染拡大は止まっていませんが、感染予防に努めながら、行事が再開され、外へ出る機会が増えて来ました。

写真家からみえる景色 | bitokurashi

写真で日常を切り取る、びとくらし 「びとくらし」サイトトップのメイン写真をご提供いただいている、嵐祥子さん。 写真家ならではの視点や、景色の切り取り方、毎日の暮らしぶりを写真と文章で伝えいただきます。 「秋を探して」 長袖への衣替えがすこしずつ進み、つめたい麦茶よりあたたかい飲み物が欲しいと思う回数が、だんだんと増えてきました。 家の窓を開けると、どこからか甘い花の香りがただよってきて、その姿は見えないけれど、三大香木の一つ「キンモクセイ」だとわかります。 10月は「秋を探そう」というテーマで、外歩きや野外での活動を撮影をする機会が続いています。 歩いていると、オレンジ色の小さな可愛い花をみっちりつけたキンモクセイの木とあちこちで出会い、マスク越しでも届く強い香りを「待ちどおしかった秋が来たんだなぁ」と、しっかりと身体に吸い込みました。 雲が少ない良いお天気の日。 仕事現場に早めに着くと、遠目にススキが並んで咲いているのが見えて、もっと近くで見たくなりました。 そばまで行ける道を探してみようと、すこしの時間、辺りを散策しました。 道路脇に咲いているセイタカアワダチソウやコスモス、黄緑色の実をつけた柿の木が、惜しみなく朝日を浴びているのを見るとあまりにも気持ち良さそうで、わたしもお日様の光を浴びたくなりました。 いつもはできるだけ避けている日差しですが、着ていたウィンドブレーカーと帽子を脱いでひなたに出ると、涼しい空気の中、とても気持ちの良いものでした。 ススキの穂はまだ綿毛が少なく、名所のような豪華なススキ野原ではありませんでしたが、それでも満足して、仕事へ向かいました。 すっかり日が沈むのが早くなった帰り道。 あっという間に暗くなるのは、なんだかすこし寂しいけれど、空を見上げて惑星や一等星を探したり、月の満ち欠けを観察しながら歩く、秋の楽しみを思い出しました。 2020年の仲秋の名月は10月1日、その翌日の2日が満月で、きれいな月を観ながら、我が家はお月見団子を食べました。 そして今月末の10月31日に、もう一度満月が観られます。 同じ月に、満月が2回巡ってくることを「ブルームーン」と素敵な名前がつけられているそうです。

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嵐 祥子 | Arashi Shoko

フリーランスWebライター兼フォトグラファー、嵐祥子のサイトです。 同名で、写真作品も制作しています。